大根の読書日記

読書好きの理系男が、読んだ本や調べたことについて、だらだら書いてます

第8回(2017/05/23) 海のプラスチックごみについて

本日のニュースでこのような記事がありました。

headlines.yahoo.co.jp

海のゴミは年々、増え続けています。中でも特に問題になっているのはプラスチックごみです。自然界では分解されにくいためです。これまでに、大きく分けて3つの影響が指摘されています。

 

・影響①野生動物が誤って食べる

野生動物がプラスチックの破片をえさと間違って食べてしまうケースが多く知られています。例えば、海鳥のなんと90%が食べてしまっているという報告がオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)によってされました(参考文献1)。消化できないため、消化器官に蓄積し、消化スペースが確保できなくなってしまいます。他にも、ウミガメが食べてしまった例などが、しばしば報告されています。

 

・影響②マイクロプラスチックの影響

最近、明らかになった問題としてマイクロプラスチックによる汚染が指摘されています。マイクロプラスチックとは、要はミリ単位、あるいはそれ以下のサイズまで小さくなったプラスチックの破片のことです。(サイズなど、細かい定義は専門家の中でも決まっていないようです。)あまりにも小さいため、動物プランクトンが植物プランクトンと間違えて食べてしまうことが分かりました(参考文献2)。動物プランクトンから始まる海の食物連鎖によって、様々な動物の体に影響が出ると考えられます。①と異なり、誤飲でなく、普通の食事でも口に入ってしまうリスクが高まるからです。例えば、小魚の中に1 mm以下のプラスチック破片が入っていても、間違って食べてしまいそうですね。

 

・影響③有害物質の濃縮

昔、使用されていたPCBなどの有害物質が、マイクロプラスチック上に濃縮されて、②によって動物の体へ蓄積しやすくなる、という説があります(参考文献③)。PCBというのは、ポリ塩化ビニルのことです。昔は油や塗料など広く使われていたのですが、カネミ油症をきっかけに使用禁止となった物質です。

 

まとめ

②と③はまだ、研究途中で正確な影響は不明です。しかし、人が捨ててきたプラスチックが思った以上の悪影響をもっている可能性は高そうです。生物分解性プラスチックなど、代替技術の開発も進んできてはいます。しかし、まずはゴミはきちんと分別して、適切な場所に捨てるようにしましょう。ヒトの、そして地球の生き物の未来のために。

 

なにやら大仰な表現になってしまい、申し訳ありません。

ではまた、次回。

 

 

参考文献

1)ナショナルジオグラフィック日本

海鳥の減少とプラスチックの関連について説明されています。

 

2)東京大学海洋アライアンス 海洋海のマイクロプラスチック汚染

 海のマイクロプラスチック汚染:ニュースがわかる海の話│東京大学 海洋アライアンス

 マイクロプラスチックが海洋でどのように広がるかも解説されています。

 

3) クローズアップ現代 2015年10月29日(木)放送

海に漂う“見えないゴミ” ~マイクロプラスチックの脅威

海に漂う“見えないゴミ” ~マイクロプラスチックの脅威~ - NHK クローズアップ現代+

マイクロプラスチックによる影響、技術的課題と今後の展望について述べられています。

 

 

・こちらもオススメ

興味を持たれた方には、こちらの本がおすすめです。 

プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する

プラスチックスープの海 北太平洋巨大ごみベルトは警告する

 

 2012年出版でやや古い情報ですが、早い時期からマイクロプラスチックについて警鐘を鳴らしていた方々が書かれた本です。海の生き物を食べるのが少し怖くなりました。